このコーナーではビーシュリンプの故郷や流通など、ビーシュリンプを取り巻く背景について解説していきたいと思います。
ビーシュリンプを取り巻く背景
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ビーシュリンプはどこからやってくる?
今では誰もが楽しめるほどに普及しているビーシュリンプですが、もともとの生息地については実は謎に包まれています。アジアのどこかであるらしいのですが、その生息地はすでに開発によって消滅しているという情報もあり、長い年月を経た今となっては確かめる術もありません。
世界でおこなわれているビーシュリンプの養殖
私たちが飼育することのできるビーシュリンプは、その多くが海外や国内で養殖されたものです。非常に繁殖力が旺盛で、小さなスペースでも膨大な数のビーシュリンプを飼育することができるため、個人レベルでのブリーディングも盛んです。
ビーシュリンプは産地によっていくつかの系統があり、中国産、香港産、台湾産など、それぞれに色や模様も微妙に異なりますが、こうした原種に近いと思われる品種の多くは海外で盛んに養殖され、日本にも大量に輸入されてきます。
また、人気のレッドビーシュリンプは日本で作出された品種で、こちらは国内の有名なブリーダーが繁殖した美しい個体が一匹ごとにランク分けされて広く流通しています。
ビーシュリンプの価格
ビーシュリンプの多くは飼育を始めやすい手頃な価格で販売されていますが、今なお品種改良が盛んなレッドビーシュリンプは、模様ごとに様々な品種名がつけられ、一般のビーシュリンプよりも、やや高い価格がつけられています。
中でも極めて優れた種親を大量に保有している著名なブリーダーによって繁殖されたレッドビーシュリンプは、同じ品種でも通常のレッドビーシュリンプより、ずっと高額で取引される傾向にあり、時には一般のブリーダーが養殖したレッドビーシュリンプの数十倍もの価格になることもあります。
省スペースで大量に繁殖させることができるビーシュリンプの養殖は一部で人気のビジネスとなっていますが、その旺盛な繁殖力ゆえ、これまでにも新しい種が輸入されたり新品種が登場しても、瞬く間に価格が下がっていきました。
このため、特にレッドビーシュリンプの繁殖を生業としているブリーダーは、たゆまない日々の努力と独自の創意工夫によって、常に最高の個体を送り出し続けています。この終わりなき困難な作業も、ひとえにビーシュリンプに魅せられたブリーダーだからこその情熱がなせるものに他なりません。
このようにブリーダーが(時には当事者はそれとは気付かずに)地道な努力によって作出した素晴らしいレッドビーシュリンプの新品種をいち早く集めていくのもビーシュリンプの楽しみ方のひとつではありますが、ビーシュリンプが持つ本質的な魅力は原種も改良品種も変わりなく、まずは一匹一匹を愛情を持って飼育してあげて欲しいと切に願ってやみません。